わたしは手が小さい。
だが、どれくらい小さいてかというと特筆する程小さいわけではないくらい。
手というものはピアノを弾く時以外でも常時人目にさらされている。と、いうか日常的に使うので、その大きさは特に意識しなくても見当がつく。
それが若い頃悩みだったか?と、いうとそんなことはない。
多少は気になっていた事象なので、大人になってから、この先生のレッスン受けるのは初めて!!
の時に質問してみた。
わたし「わたしは手が小さいので、不利なこと多いのでしょうか?」
先生「あらそう?!わたしだって手大きくないわよ。1オクターブは届くでしょう?」
わたし「ハイ!届きます。(楽勝です。)」
先生「だったら問題ないですよ。問題なのは大きさより開かない手や、動かない指のほう、、。」
わたし(それはわかります。)注:わたしはヤマハで教えていた。
オクターブはわたしは小学生の頃確かに5年生くらいで届いて1オクターブ掴む曲でも原曲のまま弾いていた。
1オクターブが頻繁に出てくる曲が弾けるくらいまで上達してもオクターブに手が届かない子は仕方ないので音を抜いたり、単音で弾かせたりする。
わたしでなく生徒に目を向ければ小学校も高学年ともなれば、わたしなんかより手の大きい少年少女はいくらでもいる。
なので、もう子供だましでなく1オクターブ奏法の出てくる一人前バージョンの曲に移行するわよ。
だが、当の少年少女(主に少女)は1オクターブがキツイと泣き言をいう場面がある。
そう。手の大きさはお釣り来るくらいたくさんでも1オクターブが頻繁に出てくる曲を弾くのは修行が必要なのだ。
わたしは少女たちよりはるかに小さな手で、もうそれくらいの年齢で1オクターブ満載の曲を(得意になって)弾いていたのだ。
しかも、皆さんは開かない手でも動かない指でもない。
修行だ。これからは1オクターブが出てくる曲をセレクトして差し上げよう(´∀`*)
だが!超残念!!
わたしが先生に手が小さめでも1オクターブが掴めりゃピアノは弾ける。
で、わたしについては妙に納得し、わたし程度に手の小さめなピアニストだっていくらでもいる。
これで手が小さい問題は解決、と見えたが世の中はそうは単純でない。
13歳になっても、難曲をぼちぼち弾けるようになっても1オクターブが届かない。
というケース。
13歳だとこれからまだ、身長が伸びてそれにしたがい手も成長する。ということも考えられる。
だが、わたしが囚われていた手が小さい。
という問題はわたしの場合は大した問題ではないが、やはりオクターブ奏法がキビシイほど手が小さいというのはハンデになってしまう。
これとは逆のケース。
大昔、ヤマハで教えていた頃成人男性の生徒が入会した。
その方の体格、容貌はあまり記憶にないのだがわたしの倍くらいはあるデカイ手をしている。
わたしはこれくらい大きな手だったらさぞかし楽勝でピアノが弾けるんだろうな。
そのように考えた。
ところがΣ(゚д゚lll)その方、手の大きさはわたしの倍でも、わたしの5分の1くらいしか手が開かない。
最初は(わたしをおちょくってるのか?!)と、思うも本当に開かないことが判明。
指と指の間が開かないくらい日常的には問題がないらしくご本人には自分の手が開かない。という自覚はない。
さて、どうしましょ??
入門、初心者用のテキストはそうそう手が開かなくても弾ける曲で構成されているのでなんとかなる。
そして徐々に手広げ修行をするしかないだろう、、。
ヤマハのような大きな組織で運営している場合。
生徒が違う曜日のレッスン変更を希望すると自動的に講師も代わってしまうので、しばらくするとわたしの配下からこの生徒さんは離れた。
なのでその後の成り行きはわからない。
ちなみに
この赤丸印、ショパンエチュード12番の華麗なる属七の一味。3小節めに出てきますが、これ弾けないの?って?弾けますよ。
ただ、わたしはこの音符の配列になると鍵盤の上から掴めません。
上のDの音は鍵盤の下のほうから捕まえ奏法で乗り切ります。
なのでこの3小節め細心の注意を払って打鍵いたします。
なんとなくノリで弾いてしまうと、ご近所さんの鍵盤をみんな触ってしまって出だしそうそう大惨事となるのです。
あるときわたしは気になって、わたしより手が大きく指の長い小学生女子の生徒に。
「この音、鍵盤の上から弾ける?」
と、そのように持ちかけたところ、、。
「弾けるよ。」
ちゃんと少女は鍵盤の上から掴んで弾けてました。
そうか(´∀`*)これから音符玉がオクターブ内にいっぱいちりばめられた曲をモノにしようね。
やはり手が大きというのは有利だ。