ソナチネ 続編

ソナチネアルバム突入で、当初は多少は得意がったもののわたしがその頃ついていた先生はこのソナチネアルバム1巻のソナチネ編(小さめのソナタ等も入ってる。)全曲弾かせようかって勢いの悪魔のような方。
けしてソナチネを愛しているとは言えないわたしはここらでピアノを辞めることを画策。

後に解明したことだが、わたしと違いソナチネ突入で退会成功者は多数。

何故、わたしが退会失敗しその後もエンエンと、本当に文字通り延々ピアノ続けた原因となった曲はソナチネアルバム1巻10番クレメンティ作曲Op.36No.4ヘ長調のファーーラファッドーのソナチネ。
ソナチネ珠玉の名曲です。か、どうかは個人の好みの問題と思われますが、、。

わたしクレメンティ先生には誠申し訳なく、なんとサエない曲だわな。の感想抱いていたのですが、この曲を仕上げる頃になって、後半長々と16分音符のパッセージが続くのところ、もしやわたしは悪魔に魂を売ってしまったのではないか?
とさえ、思うほど指まわりが良くなったのです。

これは驚くには当たらない。芸事というのはそういうものでそれまでの練習、稽古の積み重ねがあるとき飛躍的に進歩する。
曲の好き嫌いの問題ではなく、それまでには見るもうんざりした16分音符の山制覇が楽しくなった(*´∀`*)

(@^▽^@)はははやったね(*^^)v
わたし指が動く嬉しさのあまりしつこくこのパッセージ繰り返し弾いていたら。

うちの母親、「えー、とても最近はソナチネが好きならしくて練習しろって言わなくても毎日弾いているんですよ。」
と、先生に言いつけていたガ━━(;゚Д゚)━━ン!!

もー、ソナチネが好きなんじゃないよ。指が動くのが嬉しいだけ。
わたし見かけによらず気を遣う質なので、ソナチネが好きなんじゃないよ。指が動くのが嬉しいだけ、ソナチネヤメにしてエリーゼのためにみたいな曲弾かせろ。

とは、言えなくて「えー、まぁ、、。なんとか、、。?(ピアノやめ損なった気分)」




わたしがピアノをやめ損なった曲の作曲者はムツィオ・クレメンティ名前なんとなく冗談みたいですが、それでわかるようにイタリア人です。1752年~1832年。
18世紀生まれにしちゃ凄く長寿じゃないか?
この方、このような可愛らしいソナチネで有名ではあるのですが、ソナチネ如きで驚いてはいけない。

上級者向け練習曲クレメンティ「グラドゥス・アド・パルナッスム」も作曲。

今やわたしはクレメンティ先生は、ソナチネより「グラドゥス・アド・パルナッスム」のほうが印象大。

クレメンティ先生以外ではあと一名、フリードリッヒ・クーラウ、ドイツ人1786年~1832年。
クーラウ先生のソナチネも一曲くらいはお稽古したい。

わたしはOp.55 No.1ハ長調ソナチネアルバム4番の曲が1番好き。

年代見て頂いてわかるとおり、18世紀生まれの作曲家の曲なので古めかしく感じるのも仕方ない。





ソナチネ

今時の流行りなのだから当然、「逃げ恥」「君の名は」人気絶頂。
かたや人気不絶頂の王座に君臨するは、、。

わたし的にはソナチネじゃないかとこころ密かに思ってます。
「逃げ恥」や「君の名は」は現在興業中(多分)なのだから当たり前でしょ。

と、言えば当たり前なのですが、同クラスの難易度の「エリーゼのために」や「トルコ行進曲」バッハのト長調のメヌエット、シューマンの子供のためのアルバムからの小品あたりは相変わらずの盛況ですよ。

それじゃ、誰も彼もソナチネ、ウケないかっていうとそうでもないです。

音楽は個人の嗜好です。少年少女でもソナチネが好き、「いつになったらソナチネ弾けるの?」という生徒もおります。

だが、絶対多数に何故かソナチネはウケ悪し。
わたしだって、少女の頃はソナチネ嫌いだった。

なのでこの時期、ピアノを辞めることを画策さえしていた。

よく、「ピアノ習ってたけどソナチネくらいでやめて、、。」って、言う人多。わたしこの人、ソナチネにうんざりしてやめたんじゃなかろうか?と勘繰りました。

まるでソナチネがバイエルの上級版のつまらぬ練習曲の類、とまでこき下ろす方もいらしたりして、。
あー、ソナチネの受難。

では、ソナチネって何さ?というと、これは立派な楽曲です。子供の練習用のテキストじゃありません。
かつて古典派時代、大流行を収めた楽曲形式、ソナタ形式。




そのソナタって何よ?
ソナタはですね。突っつき始めると楽式論キリがなくなって、ぶあっつい本になってしまうので簡易版で説明しますと。

だいたい、3楽章から4楽章、ピアノソナタ多くは3楽章。

1楽章テンポ速め曲、形式提示部、展開部、再現部。これに前奏、コーダがつく。
2楽章テンポ遅め、歌うように演奏される場面多し。
3楽章テンポ速め、ロンド形式多し。

中には、ベートヴェンの月光ソナタのように2楽章から始まってのもあれば、モーツァルトの超有名ソナタ3楽章トルコ行進曲のK.331のように何故か第1楽章ヴァリエーションのこともある。

モーツァルトの時代のソナタとて大曲といえば大曲だが、ベートヴェンの後期ソナタなんかは超膨大曲。

これ、全楽章暗譜して弾く苦労って大変よ。おかげさまでピアノの練習1日10時間もしないと間に合わないモードになります。

その超ド級の楽曲ソナタのミニチュア版がソナチネ。
ソナチネ、音の響きからしてなんとも可愛らしい。不人気が信じられない?!

だが、わたしもソナチネ嫌いだったので嫌う気持ちはよくわかる。
なんででしょうね?わたしワルトシュタインのような気が遠くなるほど延々と続くソナタは好きなくせにソナチネはNGって。

18世紀きっと、サロンで好まれて演奏されてこの時代の人々に愛されトレンディだったに違いないソナチネ。
ソナタ形式曲に入る前に、その古典的様式感とこれぞクラシック!な音楽性養うのに是非、学習必須のソナチネ。

絶対、例え一曲でも弾いてもらう。
お薦めは、クレメンティのソナチネOp.36No.1ハ長調。

ドーミド、ソッソッの動機が軽快でいい。
そして、1ページまで短縮したミニチュア版なのがまたいい。

(´Д`)ハァ…これかよ。モードになっても弾いてみたら案外ハマる。
ことだってある。

または、ソナチネなんて子供だまし(子供だましではない。って!)とっとと卒業して一人前のソナタ弾かせてくれ。
その場合はまずはドーミーソ、シードレドーのモーツァルトの永遠の名曲K.545レッスンしましょう。