わたしは子供初心者のレッスンにバイエルは使ってない。もっともわたしは「バイエルを辞めよう。バイエルは楽しくない!もっと楽しいピアノの本があるよ!」みたいなコピーは使わない。
わたしがバイエルを子供特に、就学前の子供に使いたくないのはわたしのピアノレッスン暗黒時代のトラウマがあるからで、バイエルを教材として日々、訳の分からぬことをほざく大人に苦しめられて泣かされたからだ。
だがこれは当時の大人どもが悪いので、バイエルのせいではない。
それと、わたし世代の親はわたしの親世代の親より、センスがあるので「ピアノは弾けていてもどうも理論的なこと、つまり楽譜というものが理解出来てないみたいだ。」という、声が多く。
わたしは「難しい理論はピアノを嫌いにするので、理屈はもっと大人になってから考えりゃよろし。」とは、考えない。そもそも、その昔バイエルと暴君としか思えない大人とともに歩んだ暗黒時代。ピアノが嫌いだったのは、理論をさっぱり教えてくれないで、訳の分からぬ楽譜を見せられていたからじゃないかと思う。
なので、楽理をコミで教えて楽譜を自分で書いてみる教材と指導法に替えた。
だが、ピアノを習うのはお子様だけではない。成人でも経験者の場合は、それまで使っていた教本を引き続き使えばいいのだが、サラの初心者の場合、ドをいっぱい書いて覚えましょうね。フェルマータの意味は?フェルマータここに書いてみよう。
でなくて、(人にもよる。)いい気がしてきた。何故なら、大人は抽象的思考が出来上がっている。幼児のように2つと3つ、数が数えられるかな?○は書けるかな?1から5まで書けるかな?アルファベットのAからGまで読めるかな?ひらがなは?、、、。なんてことから始めなきゃならないことないだろう!
そう、大人は言えば分かる。拍子記号の4分の4は「えーと、分数はもうやってる?4分の4拍子は、4つにわけた中の4つじゃなくて、4分音符を1拍と数えて1小節に4拍入ることだよ。だから(音譜カード見せる。)2分音符だとリンゴが2個、つまり2拍分だよ。」このような理論もくどくどカード使ったりして説明しなくてもたちどころに理解してくれる。
だって、大人はわたしなんかがすっ飛ばしてしまった難しい勉強を終了、あるいは未だ履修中なのだ。
最近になって、大人の生徒さんの一人がバイエル持っているから、と言ったのでそりゃもったいないから使おう。というので使い始めてわたしも心が動いた。
使ってみるとやはりロングセラーなだけあって、バイエルは優れた教材だ。曲がつまらない。とか、古くさい。というのは、入門もしく初級教材の宿命でもあって、作曲するほうだって創作意欲の赴くまま、もしくはウケ狙って作ってるわけじゃない。この単元はこの技法、音楽を修得するための曲目。なるべく楽しい曲作りしようたって限界はある。朝ドラの主題歌弾く事に情熱を燃やしてる生徒にとってはどの教材使ったってつまらない筈だ。
また、この作曲家フェルディナント・バイエルは1803年の生まれ、没年1863年。死んで何年経ってるんだ。(156年です。)これは古いのは仕方ない。また現在の子供事情ともずれてるのも仕方ない。
どこが子供事情とずれてるかというと、最初のころのドレドレドーーーーはいい。指番号や音符の関連性はカードやノート使って教えればいいのだ。全音符で弾いて先生と連弾する。ほれ、なかなか楽しく構成されてるじゃないか。8番の曲、先生と連弾するドミドミソドドドなんか、音数少なく音域も限られた中でなかなかの美しい名曲じゃないか。
だがだ!(T-T)困るのは途中からやにわに、正確に言えば45番くらいから、突如難しくなって、曲もながーくなる。100番101番あたりになると、これをわたしは齢4歳5歳で弾いてたのかよ(・0・)と、思うとあ然とするくらい曲は長く複雑。フン、泣かされた筈だわ💢
ここが、大人もしくは子供の範疇に入っててももう中学生、高校生になっててやる気満々でレッスンを始めた生徒にはいいのではないかと思うのだ。
なんで?!って、大人はもしくはティーンエイジャーの少年少女は幼稚園児、小学校1,2年児に比べて集中力も体力もあるのだ。本人の目的意識もはっきりしている。
だが、このバイエル↓
よりは
この古式ゆかしい子供のバイエル(上巻は赤、昔は赤いバイエル黄色いバイエルのどこ!が上達の指針だった。)がお奨め。子供のと、書いてあるのが難点だが、大人でも初心者の場合は音符は大きめの方が読譜しやすい。
また最近は世の中が進んでいるので
このような独習用のバイエルも出ている。もちろん子供向けも多数、手を替え品を替え出版されている。
なお、保育園の先生になるための大学及び学校の学生はたいていはバイエルを携えてやってくる。